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株式会社サトウ工務店の佐藤高志さん、ネイティブデイメンションズ代表の鈴木淳さんの講演に参加いたしました。 佐藤さんは、住宅の断熱性能や耐震性能が高まるのが当たり前になった現代において、他との差別化を図る上で「デザイン」の重要性が増していると語られました。 その本質は感覚的なものではなく、土地・構造・機能・用途といった要素の積み重ねから必然的に生まれるもの。 住宅は50年以上残るからこそ、流行に流されず、スタンダードでトラディショナルなデザインを丁寧に磨くことが大切だといいます。 構造が整えば自然と窓や壁の配置が美しく整い、結果として端正なデザインにつながる。 デザインは構造と機能に意味を持たせることから生まれると強調されました。 さらに、デザインは感性だけでなく経済的な力も持ち、企業の成長力や集客力につながると具体的な事例を交えて紹介されました。 鈴木さんは、デザインを「目的を整えること」と定義し、限られた予算の中で性能・意匠・機能を一体化させ、「一石三鳥」の設計を目指す重要性を語られました。 構造をシンプルにすることでコストを抑え、余裕を素材や設備に振り分ける。 性能そのものを造形のテーマとし、骨格の美しさから自然なプランが生まれるといいます。 また、鈴木さんは「標準仕様とは、他社との比較基準ではなく、自分が本当にやりたいことを形すること」と話されていました。 この言葉が特に印象に残りました。流行や相場に流されるのではなく、自分の設計思想を明確にし、それを一貫して発信し続けることの大切さを改めて感じました。 お二人に共通していたのは、 良いデザインは「センス」ではなく、積み重ねた「必然」から生まれるということ。 建物の形にはすべて、敷地や暮らしの課題を解決するための「理由」がある。 美しいデザインの土台には、安定した「構造(骨格)」が不可欠である。 「流行」を追うのではなく、基本に忠実で丁寧な「ディテール」が、長く愛される住まいとなる。 デザインとは、単なる造形や印象ではなく、課題を整理し、意匠と性能と構造のバランスを整えることだと、私も常に考えています。 トレンドに振り回されず、意味のある「必然のデザイン」を積み重ねていくことが、これからの時代に求められる建築のあり方だと感じました。 懇親会でもいろいろなお話を伺い、また多くの方と意見交換をすることができ、とても有意義な時間となりました。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。 Comments are closed.
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10月 2025
㈱POTOS DESIGN OFFICE
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