昨日は自立研関東ゼミの第3回発表会に参加させていただきました。 今回、群馬・栃木・福島で高性能住宅を手がけるトップランナーの方々による実例発表が行われ、それをもとにしたグループディスカッションも行われました。また、森こうすけさんによるリノベーション実例の発表もあり、とても充実した時間となりました。
発表された物件については、数年のPDCAサイクルを経てさらに改善を図るため、様々な意見が交わされました。森こうすけさんからもアドバイスをいただき、さらなるブラッシュアップが進められるなど、非常に有意義な内容でした。 懇親会も含め、参加者の皆さんの取り組みや視点を知ることができ、貴重な体験となりました。 高性能住宅に暮らすと、温度や湿度のわずかな変化に敏感になるといいます。 そのため、たまにキャンプなど屋外で過ごしたり、古い建物に宿泊したりして感覚をリセットすると、自宅の快適さを改めて実感できるそうです。 築15年になる断熱等級4の我が家も、当時はトップランナー基準に近い性能でしたが、来年からはそれが最低基準に変わります。 実家やアパート暮らしの頃よりは暖かいものの、さらなる高性能住宅に住みたいとしみじみ感じました。 新川の家 制振装置を採用いただきました。 制振ダンパー MER System クロスタイプ 二輪用のサスペンションや四輪用ショックアブソーバーなど、70年以上もの歴史と実績がある油圧技術のメーカー、ヤマハモーターハイドロリックシステム製のサスペンション技術に、モーターボートなどのマリン製品の防錆技術が注ぎ込まれた制振ダンパーです。 ジョイント部分には「クロスピン構造」を採⽤しており、斜め方向からの揺れにも破断せず対応します。 揺れ始めから瞬時に制震効果を発揮し、大きな揺れの領域でも減衰力を維持する「バイリニア特性」を持ち、地震はもちろん、交通振動や台⾵の揺れによるダメージからも⼤切な住まいを守ります。 制振ダンパーには地震力を軽減する性能がありますが、設置するだけで建物が地震に強くなるわけではありません。しっかりと構造計算を行い、耐震等級3を確保して建物自体で地震に耐える性能を備えることが重要です。さらに制振装置を導入し、建物への衝撃を吸収・軽減する「耐震 + 制振」の考え方が大切です。 新川の家 サッシ周りの防水処理が完了しました。 透湿防水シートはウルト社ウートップ® ハイムシールドを使用しております。 こちらの材料は長期間にわたって住宅の耐久性を保つために使用される高性能な透湿防水シートです。 特に、屋内の湿気を外に逃がしつつ、外からの水の侵入を防ぐことで、結露や湿気による劣化を防止します。 80年相当の耐久試験に合格しており、界面活性剤や紫外線にも強いため、施工後も安心して長く使用できる製品です。 窓回りの処理は外部付加断熱材を先行し ウルト社のマニュアルに沿って先行張りを行いました。 タテ枠は防水テープを後張り 上枠は防水両面テープを張りシートを被せます。 一般的に推奨されている防水処理はサッシを取り付けた後に両面防水テープを縦と上部に3方向に張って透湿防水シートを張ります。 どちらにしてもサッシの上部と側面には5mm程度のクリアランスを確保することで、毛細管現象による漏水を防ぐことができます。 防水処理完了後は、散水テストを行い、漏水の有無を確認しました。 内部から漏水の有無を確認しましたが、漏水はありませんでした。 さらに、万が一水が回った際の対策として水返しも設けています。 付加断熱材の下部からの漏水がないことも確認され、水切りがしっかりと機能しています。 最後に、下図はサッシ協会およびサッシメーカーの施工手引きから引用したものです。特に気をつける点として、サッシ下枠のフィンに張る防水テープがあります。
これは、万が一水が窓周りに侵入した場合、適切に水が抜けない事態を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。 新川の家 樹脂サッシを搬入し、取付を行いました。 エクセルシャノン NS50 樹脂サッシとしてはフレーム見付がやや狭く、すっきりとした印象の仕上がりが特徴です。 高い性能を保ちながら、外観や内装にあまり主張せず調和するのが良いですね。 トリプルガラスの掃き出し窓は、ガラスが重いので施工が大変です。
ありがとうございました。 昨日、新横浜で開催された「構造塾カンファレンス」に参加してきました。 佐藤実塾長率いる構造塾の年に1回の大交流会で、普段はZoomで参加している構造塾のグループコンサルメンバーの方々と直接お話しする機会となりました。 まずは、佐藤実塾長の講演 能登半島地震の数回にわたる現地調査を通じて得た建物倒壊の状況と、現地画像をストリートビューの画像と比較しながら、建物がどのようにして倒壊したのか、さらに倒壊による道路の寸断など二次災害の状況も踏まえ、耐震等級3の必要性を強調されていました。 お客様に頼まれて今回はするとかしないとかではなく、勝手に耐震等級3にしましょう。 「現地のこの状況を見て、耐震等級3が不要だと思う建築関係者は、建築の仕事をやめた方がいいです」と佐藤塾長は強く訴えていました。 次に紹介されたのは、「DGR.119」という消防士の方々が有志で行っているボランティアのレスキュー活動です。 DGR.119は、災害発生時に迅速に被災地へ駆けつけ、救助や支援活動を行う特別なチームです。 彼らは本業である消防の仕事と並行して、この活動を完全に自発的に行っており、参加者の強い使命感と情熱が伝わってきました。 活動の中での切実な悩みや苦労が語られました。 後ほど詳しくお話を伺ったところ、機材なども自費で用意し、休日には被災地に入り、危険な作業を伴うボランティア活動を行っているとのことでした。 通常の業務だけでも大変なはずですが、災害時には迷うことなく現場に飛び込むその姿勢に深い尊敬と感動を覚えました。 続いて、株式会社Be-Doによる微動探査の活用法と能登半島での調査報告がありました。 常時微動探査を用いた被災家屋の耐震性能の実測や、地盤の揺れを確認することで軟弱地盤を把握する手法が紹介され、地盤選びの際にも微動探査が有効であることが語られました。 最後に、東京大学准教授 前 真之先生による「環境塾」の取り組みについての説明がありました。 環境塾の目的は、プランニング、構造、環境を3次元で総合的に担える設計者の育成との事で、各種3次元ソフトを用いた高度な検証方法を学び、実際の物件での実証検討も行われているとのことです。 構造塾の高中さんやメンバーさんよりその活動状況や講義内容、検証の具体例が紹介されました。 カンファレンスに参加されたグループコンサルメンバーの皆さんが非常に意識の高い方々であり、さまざまな貴重なお話を伺うことができました。
貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。 住まいるLAB.主催 家具販売店「vanilla」を運営する有限会社NON VERSUS所有のオフィス兼家具ギャラリー 「offesso」を見学させていただきました。 那須高原スマートインター近くの樹々に囲まれた、自然豊かな場所に建つ事務所棟、ギャラリー棟、そして建築家・宮脇檀氏が設計したヴィラ福村の3棟が佇んでおります。 ギャラリー棟には、オーナーの田中代表が収集したチャールズ&レイ・イームズのプライウッドラウンジチェアやシェルチェアなど、ミッドセンチュリーのヴィンテージ家具が展示されており、シンプルで美しい建物と相まって非常に洗練された空間を楽しむことができました。 画像手前のハーマンミラーのダンボールは、1955年製らしき印刷があり、中にチェアがそのまま入っいた状態で発見され、今ではとても希少な物となっているようです。 家具の説明をされる田中代表 とても楽しそうに丁寧に説明をしてくださる姿に、家具への愛情をすごく感じました。 ありがとうございました。 アルミナムグループチェアなどの、展示されている色々な椅子に座らせていただきました。 私もシェルチェア所有しておりますが、1950年代に造られたミッドセンチュリー時代のチェアは座り心地がとても良く、今年で15年目となりますが、非常に耐久性の高いすばらしいチェアです。 そしてヴィラ福村の内部も見学させていただきました。 竣工は1974年 コンクリートの躯体に木造で張り出された床が特徴で、購入当初は床がたわみ傾いていて、支柱が建てられていたとの事ですが、改修をを行いながらも、当時のかたちを残した設えとなっていました。 森に向かって開けた開放的な空間は風通しが良く、景観も素晴らしかったです。 半屋外のデッキがまたなんとも心地よい場所でした。 どこから見ても緑と木々が望め、心地よい通風を感じられる素晴らしい建物でした。 キッチンや水回り器具も当時の状態なのでしょうか、多少の古さはありますがとても綺麗でした。 さらに、剛工務店の生形さんによる「斜め椅子体験会」 この椅子と机は、パリ五輪で金メダルを獲得したやり投げの北口榛花選手や、競歩団体で8位入賞した岡田久美子選手が使用していたのと同じ物で、解剖学的に正しい姿勢を保つための設計がなされています。 写真では椅子が見えないですが… 実際に座ってみて、自然と姿勢が整うのがよくわかり、長時間の作業にも適していると実感できました。
我が家にもぜひ一台ほしいです。 今回の研修もとても心に残る素晴らしい内容で、素敵な1日を過ごすことができ感謝いたします。 ありがとうございました。 ㈱トヨタトーヨー住器主催 楓構造研究所 古賀健郎さんによるセミナーを受講しました。 古賀さんは、「これからのマイホームは構造の専門家とつくる」ことで「未来を守る住まいづくりが重要である」というメッセージを強調していました。 構造解析には、一般的な許容応力度計算ではなく、有限要素法(FEM解析)という手法を用いて、より詳細な構造検討が行われているとのことです。 有限要素法(Finite Element Method)とは、工学や物理学の分野で、複雑な形状や材質を持つ物体や構造物の解析に使用される数値解析手法の一つで、物体や構造物を小さな要素に分割し、それぞれの性質を数値化して計算することで、全体の挙動を解析するようです。 この技術を用い、家をそのまま揺らす「三次元立体解析」により、実際の家の形状を再現し、建物がどのように揺れるのかを根拠を持って確認できるということを学びました。 「三次元立体解析」では2階の床や屋根の水平構面の剛性を実際に確認し、構造をより精密に検討することが可能のようです。 さらに、次世代基礎「bordo」では、基礎の地中梁という概念を取り除き、フラットなスラブを使用したシンプルな基礎設計が可能になる技術が紹介されました。
これにより、従来の基礎設計で課題となっていた人通口補強や地中梁の補強が不要となり、よりシンプルな基礎を造ることができるとのことです。 この三次元立体解析を使った「専門家による構造計算」を、今後の取り組みとして検討したいと考えています。 素晴らしい学びの機会をいただき、ありがとうございました。 新川の家 外壁の付加断熱工事が進んでいます。 今回使用している付加断熱材は、高性能グラスウール「パラマウント硝子工業」の太陽SUN 105mmです。 この家は新住協のQ1.0住宅の基本仕様に基づき、外壁充填断熱と付加断熱を合わせた210mm断熱仕様となっています。 通常の太陽SUNグラスウールは幅420位か810位となりますが、今回は特注で600mm幅の材料を購入できる業者さんから仕入れ、最適な間隔で胴縁の下地を設置しています。
「新川の家」は、高断熱のQ1.0住宅で、以下の性能を実現しています。 Q値: 1.07 [W/㎡K] UA値: 0.25 W/㎡K(断熱等級7) 今日は息子の18歳の誕生日。 毎年恒例となった、家の柱に身長を刻む日でもあります。 右側が息子の身長
今年の伸びしろは… 3ミリ… それでも昨年には私の身長を追い抜き、178センチに。 立派に大きく育ちました。 2022年の法改正により、18歳からは成人とされます。 ついこの間生まれたと思っていた息子が、もう成人なんて… 時の流れは本当に早いものですね。 来年からは大学生の予定なので、もしかしたら家族全員での誕生日祝いもこれが最後かもしれません。 そう思いながら、家族でささやかなパーティーを開きました。 また、左側の刻みは数日前に誕生日を迎えた娘の記録 今年は3センチ身長が伸びました。 来年は中学3年生で受験の年です。 子供たちの成長は、本当にあっという間ですね。 新川の家 第一種換気設備が床下に設定されました。 マーベックス社製 澄家VS90 温度交換効率 83%(メーカー計算値 冬季) ダクトチャンバーへ各所から排気ダクトが接続されます。 かなりの本数のダクトがまとまりますので、設備配管や基礎地中梁などを考慮してレイアウトを検討する必要があります。 ダクト配管、設備の配管共に基礎面から浮かせ、土台下に固定をする事で、床下の点検およびお掃除ロボットの活動効率が上がります。 当社の床下清掃当番のルンバ君、もう何現場も床下を綺麗にしてくれております。
ありがとう! 塩谷の家 お引き渡しとなりました。 オーナー様と初めてお会いしたのが2年半前になります。 本庄市児玉町の山々と水田に囲まれたご実家の畑の一部を宅地化した土地に、隣接する畑や自然とのゆるやかな繋がりを大切に設計させていただきました。 景観を取り込むレイアウトと、生活しやすさに配慮した動線、リビングを始め家全体の居心地の良さを考慮しました。 多くのご要望をいただき、その中には私自身も初めて知る工法や材料もありましたが、一つ一つじっくりと検討を重ね、最適な形で反映させていただきました。 大変お時間をいただきましたが、新しい発見も多く、非常に楽しく建築を進めることができました。 こちらの建物は、耐震等級3、Ua値=0.26W/(m²‣K)の断熱等級7、C値=0.2cm²/m²を達成した高気密・高断熱の省エネルギーな長期優良住宅で、自然素材を多く使用し、永く安心して暮らしていただけるお住まいとなりました。
これからもご家族皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。 あらためまして竣工おめでとうございます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 |
カテゴリー
すべて
アーカイブ
11月 2024
㈱POTOS DESIGN OFFICE
|