今年も残すところ、あと僅かとなりました。
たくさんの方々のお陰様で一年間無事に過ごすことができました。 本当にありがとうございます。 来年も皆様にとって幸多き一年となりますようお祈り申し上げます。 どうぞ良いお年をお迎えください。 もくしるべ・わたらせきになる会 第3回イベントに参加しました。 群馬県伊勢崎市の剛工務店 生形さんを中心に始まった「もくしるべ」とみどり市で活動する「わたらせきになる会」と、が主催し、みどり市役所の方々、学校関係の方々のご厚意により、群馬県みどり市にある「みどり市立笠懸西小学校」を見学させていただきました。 令和4年に開校した新設校で、みどり市の豊富な森林資源を壁やルーバー、屋外テラスの再生木などに積極的に利活用し、木のぬくもりとやさしさを感じられる空間が広がります。 また、災害時の避難所機能を兼ね備え、停電時でも使用できるガス燃料の自立運転型空調機や太陽光発電と蓄電池設備、自然換気システム、雨水再利用の節水トイレ、体育館では地中熱利用換気システムなどを備えています。 「ラーニングヒル」と呼ばれる大きな階段は、図書館などとつながり、一体として広く利用できる多目的スペースです。 壁面にはルーバー状のみどり市産の木材が多用されています。 各所に開けた開口部からは赤城山や近隣の山々の美しい自然が望めます。 体育館の屋根トラス トラスのダンパー部分には特殊に加工された木材が利用されています。 体育館の窓の可動式ルーバー 「みどりプラザ」と呼ばれる半屋外空間と一体利用できるフルオープン窓には、ボールなどの飛散防止を兼ねた格納できる可動ルーバー設置されています。 「みどりプラザ」に設置されているストーブベンチ いざという時にストーブやコンロになる優れものです。 木材の利用も素晴らしいですが、防災機能も充実しており、感心させられる建物でした。 続いて、みどり市にある「おむすび堂」の見学をさせていただきました。 子ども食堂として2022年3月に開所した「おむすび堂」は、子どもの第3の居場所として、社会福祉法人チハヤ会が日本財団の補助を受けて運営しており、松島匠建さんが施工しました。 地元の山の木や群馬の木を活用した建物づくりで、1階は薪ボイラーで湯沸かしの足湯がある茶屋、食堂、ギャラリーがあり、2階には子どもの居場所であるプレイルームが設けられ、ぬくもりのある居心地良いスペースになっています。 ここは子どもだけでなく、スタッフさんの会議や憩いの場にもなっているそうです。 説明をいただく中で、運営されている方々が松島さんへ心から感謝の気持ちを伝えられている様子が印象的でした。 子ども食堂の運営費用は、一般向けの茶屋や商品の販売利益、寄付などで賄われているとの事です。 現在、おむすび堂は群馬県内の子ども食堂の材料収集拠点にもなっているとの事でして、群馬県内にも多くの子ども食堂があるようですが、それだけ利用を必要とする子どもたちが多いという現実に胸が痛くなりました。 その後、懇親会場へ移動する前に、少し時間が空いたので、懇親会場近くにある気になるお店「HANDLER Inc」にお邪魔しました。 こちらのオーナー、中島雄一さんは、世界に5台しか現存しないとされる貴重なハンドルミシンのうち2台を所有されています。店内には、100年から50年前の各種ミシンが並べられ、昔に縫われた刺繍を当時と同じ年代のミシンで補修するなど、細やかな技術が施されています。 ハンドルミシンは、360度回転するハンドルを右手で回しながら刺繍の方向を操り、左手で支えたミシン台の上の布に図柄を描いていくという、独特の手法で刺繍を仕上げるものです。 突然訪れた私たちのために、オーナーの中島さんは快く即興で刺繍を作成してくださいました。 その素晴らしい職人技と心遣いに感動しました。 ありがとうございました。 懇親会は、「きになる会」メンバーである南雲建設さんが工事に携わったゲストハウス&レストラン「OKIYA」で行われました。 こちらは、アルゼンチン出身のガブリエルさんとそのご夫婦が営むお店で、本場の地中海料理やアルゼンチンの郷土料理を提供しています。 南米で古来から親しまれているマテ茶も楽しむことができました。 マテ茶は、茶・コーヒーと並ぶ世界三大飲料のひとつで、鉄分、カルシウム、ビタミン、葉緑素が豊富なことから「飲むサラダ」とも呼ばれているそうです。 また、本場スペインで修行を積んだ自慢のパエリアは絶品でした。 ごちそうさまでした。 歓談の中で、ガブリエルさんご夫婦が、南雲建設の南雲さんへ心からの感謝の気持ちを伝えている場面は印象的で、感謝や幸せを深く感じられる大変貴重な一日となりました。
皆さん、本当にありがとうございました。 新川の家 リビングの勾配天井に板が張られました。 ラスティックオーク オイルフィニッシュ 15㎜ フローリングとして使用するものを天井に採用していただきました。 ラスティックとは、英語で「飾り気のない」「素朴な」「田舎風な」といった意味を持ちます。 ラスティックフローリングは、それぞれの木が持つ木目やかすれ、色の濃淡や節などを隠すことなくそのまま活かした床材です。 ペンダント照明が取り付く箇所に穴を開け 天井板の一部を取り外し可能にしました。 天井裏で引掛けシーリングに接続し、照明のフランジ部分が見えないように細工をしていただきました。 ペンダント照明がスッキリと納まります。 ありがとうございます。 フローリング張りも進んでいます。 節や模様のあるラスティックフローリングは表情が豊かで、とても良い質感です。 床下換気&エアコン吹き出し口「エアトオル」も設置されました。
昨日は冬至 一年で一番太陽が低く、たくさんの日射を取り込むことができます。 群馬県桐生市で進捗中の新川の家で、窓から入る日射の確認を行いました。 まずは日射量データベース閲覧システムからデータの確認 地域、日時、角度、取得面などを調整して、日射量を知る事が出来るサイトです。 ネット上で無料で確認できます。 https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html 冬至付近の日射量の多い22日を確認 群馬県桐生市の12時の南鉛直面の日射量 3.31MJ/㎡(h) 単位を変換すると 3.31MJ/㎡(h)x1,000,000÷3600s=919w/㎡ となります。 1㎡の鉛直面に919wの熱エネルギーが降り注いでいることになります。 実際にソーラーパワーメーターで測定してみると 978w/㎡ 日射量データベース(2013データ)より若干多めの日射量です。 窓を閉めた状態でガラスの日射熱取得を確認 エクセルシャノン NS50 ESクリア 日射取得率はカタログ値で58% メーカーの自己適合宣言書では41% 実測値は520w/㎡ 実際の日射取得率が 53%となります。 日射取得熱を計算すると サッシ1本(幅2.6m 高さ2.2m) 日射が当たるガラス面積 w1.17mxh1.42mx2枚 網戸(60%取得くらい)が片側にあると想定して 1.17mx1.42mx520w/㎡ + 1.17mx1.42mx520w/㎡x0.6= 概ね1382wエネルギーが入ってきます。 サッシ2本で2764wですから8畳用エアコンの暖房と同じくらいのエネルギーを無料で享受できます。 お日様エネルギーは本当にありがたいですね。 日射の届く範囲の確認 窓から概ね2.6m位となります。 アーキトレンド及びホームズ君のシミュレーション結果とほぼ同じになってます。 ソフトウェアは本当に良く出来てますね。
昨日は松島匠建さんの伊勢崎の現場にて、エディフィス省エネテック株式会社 改正社長による第一種換気「VENTOsan ヴェントサン」の説明と実測にお邪魔させていただきました。 「VENTOsan ヴェントサン」は、1999年にドイツで開発されたデセントラル(分散型セントラル)換気システムです。建物全体に分散配置した壁付け熱交換ユニットを1台のコントローラーで集中制御するシステムで、当社でも採用実績のあるダクトレス第一種換気となっています。 部品の構成や説明、施工上の要点などについて細かくご説明いただきました。 今回、説明を聞いて特に素晴らしいと感じたのは CO2デマンドコントロール機能 CO2センサーと連動して、部屋の中のCO2濃度が増えると風量を上げて快適な空気環境を保つ機能。 凍結防止(給気温度コントロール) 給気温度の低下を温度センサーが感知すると、自動的に排気運転になり、凍結や結露を予防する機能。 長期間の部品供給 販売開始から約25年が経過しても、基本的な構造を変えず初期の機器への部品供給を行っている点。 リサイクルへの配慮 部材をしっかりと分別処分できるように配慮された部品設計。 特にファンに設置された凍結防止用の温度センサーについては、ドイツでは全く説明されないとのことですが、こうした細やかな配慮が素晴らしいと感じました。 ファンの実測状況 70秒ごとにファンが連動して反転し、給排気が切り替わります。通過する給排気の熱を蓄熱エレメントに蓄積・回収しながら換気を行っています。 その後、場所を移してperiwinkle 深澤さんのご自宅にお邪魔しました。 自立研関東ゼミの第3回発表会の後、改正さんがご自宅の空調改善のため実測を行っており、お手伝いができればと思い伺いました。 美味しいコーヒーを淹れていただきながら、換気や建築についてさまざまなお話をさせていただきました。
また、同時給排のレンジフードを採用した場合の改善案や、ケストレルの測定面の前後による風量に差が出るなど、新たな発見もあり、とても有意義な時間となりました。 ありがとうございました。 セントラル浄水器ビューター セントラル浄水とは、家庭全体の水道水を一括して浄化するシステムです。 通常の浄水器はキッチンの蛇口やシャワーヘッドなどに取り付けて使用しますが、セントラル浄水は家の水道の元栓に設置するため、家中どこでも浄水を利用できる点が特徴です。 家中のすべての蛇口から出る水を一括して浄化するため、料理や飲み水だけでなく、洗顔やお風呂、洗濯など、あらゆる場面で安心して使える水を提供します。 私も2年ほどセントラル浄水を使用していますが、実感している効果として以下があります。 水道水がおいしくなった 冬に手の皮が剥けるような手荒れがなくなった 電気ケトルのカルキ汚れがほとんどない お風呂のピリピリ感がない 特に水が本当においしく、外出時に水筒に水・白湯をいれて持ち歩いています。 また、カートリッジの価格も手頃で、キッチン用の浄水器と比較して数千円高い程度。 交換頻度も1年に1回で済むため、メンテナンスが楽です。 先日、自宅に設置している「ビューター」のフィルター交換を行いました。 交換作業は工具不要で簡単に行えます。 まず、給水を停止し、本体を開けて古いフィルターを取り出します。 左側が一年使用したフィルター フィルター外側に少々藻のようなものが付着しております… 濡れていると比較しにくいので、1日乾かしてみました。 結構よごれが目立ちます… 新しいフィルターを正しくセットし、交換完了。 浄水器の設置位置は水道メーターの近くとなり、既存のお住まいでも後から埋設設置が可能となります。 セントラル浄水を設置することで、さまざまな器具の選択肢が広がり、家のどこでも浄水が使用できるため、新築のお客様には特にお勧めしています。
新川の家 外壁のSGL鋼板(次世代ガルバリウム鋼板)張り 使用材料は屋根に使用する横葺き材となります。 材料の裏面はポリ付きとして 雨音の軽減を期待します。 通気層をしっかりと確保します。 開口部周りは、役物部材を使用せず 曲げ加工で綺麗に納めていただいております。 表面はさざ波ありとして、材料にコシを持たせ、葺き上がりの歪みを抑えます。 丁寧な工事に感謝いたします。
ありがとうございます。 先日はパッシブ換気シンポジウム2024に参加してまいりました。 会場が池袋でしたので、午前は自由学園明日館を見学しました。 自由学園明日館は、1921年(大正10年)に創設された女学校・自由学園の校舎として、巨匠フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新により設計されました。 前回訪れたのは17年ほど前 時間の流れはとても速く感じますが、ここは当時と変わらず、素敵な空間が広がっていました。 この日は来館者も少なく、ゆっくりと見学することができました。 午後からはシンポジウムに参加しました。 パッシブ換気とは、機械に頼らず、自然な空気の流れだけで換気を行うシステムです。 暖かく軽い空気が上昇し、その温度差と高低差を利用して換気を行うという原理で、換気機械のない大昔から建物に活用されてきた、先人の知恵でもあります。 第1部の講師は、北海道科学大学名誉教授であり、パッシブシステム研究会理事長の福島明先生 福島先生は、「一般的な換気設備では、換気すればするほど快適ではなく、不快になる場合がある」と指摘されたことが、とても印象的でした。 これまで第一種換気をいくつも採用されてきましたが、適切に運用されないケースが多く、その結果、結露やカビなどの問題が頻発しました。それらを踏まえ、最終的に行き着いたのがパッシブ換気であるとおっしゃっていました。 第2部では、山本亜耕建築設計事務所の山本亜耕さんが登壇され、「パッシブ換気の可能性」として、ご自身の実績物件について詳しく説明をいただきました。
とても魅力的な山本亜耕さんの建物もめぐる北海道断熱修行… 参加したいです。 第3部では、本州におけるパッシブ換気の事例発表が行われました。 鳳建設の森亨介さん、佐藤工務店の佐藤社長をはじめ、さまざまなパッシブ換気の事例を伺うことができました。 第一種換気がスタンダード化しつつある昨今、改めて考えさせられる機会となりました。 とても勉強になりました。 ありがとうございました。 先日は、マスタープラン/小谷和也設計室 小谷さんによるマンションリノベーション「仲宿の家」のオープンハウスに参加させていただきました。 鉄筋コンクリート造のマンションの1室をスケルトン状態にし、国内産の木材をふんだんに使用した、縁側と小上がりスペースを持つ、とても素敵で洗練されたリノベーション物件でした。
部屋全体のプロポーションや造作家具、建具の繊細な納まり、無垢材や断熱材などの素材への細部にわたるこだわりが際立っており、 また、既存のサッシや玄関ドア、給気口などもアウターを整えることで目立たせず、機能とプロポーションの調和がとても印象的でした。 室内は各所を回遊できる設計になっており、扉を閉めていてもガラリや上部の引き戸を通して空気が流れる仕掛けが随所に工夫されています。その結果、エアコン1台で住戸全体の温熱環境が整うよう配慮されていました。 施工を担当された㈱TOIVOの社員大工さんが、キッチンを含む造作家具を大工工事で手掛けたことで、各所の取り合い部分が余分なフィラーを使わず、綺麗に納められていました。 一般的なマンションの間取りから、ここまで快適な住まいにできることに感動しました。 懇親会にも参加させていただき、施工会社㈱TOIVOのメンバーの方々や参加された方々とも色々お話しする機会をいただきました。 また、林野庁の方も参加されており、国産木材の活用やウッドファイバー断熱材の国産化について、小谷さんとの熱い議論を伺うことができました。 極力国産の材料や木材を使用し、環境にも配慮された小谷さんの考えが詰まった、素晴らしい木のマンションリノベーションでした。 新築住宅においても応用すべき点が多く、大変勉強になりました。ありがとうございました。 |
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