昨日は「循環を考える渡邊邸改修Project」の見学会に参加させていただきました。 日本のオーガニックコットンの第一人者であり、一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー(CCF)代表理事の渡邊智惠子さんのご自宅をまるごとショールームとし、「捨てられるものを活用したリノベーション」として行われたものです。 改修プロジェクトのテーマは「資源と建築の循環」 できるだけ捨てない、使える物は使う 地球と身体に良い物を使ってつくる という理念のもと、繊維廃材を建築に活かす多様な工夫が施されていました。解体は最小限にとどめられ、産業廃棄物の発生を抑える工夫が随所に見られました。 アップサイクル(廃棄物や使わなくなったものに新たな価値を与えて再利用すること)された素材がふんだんに使われ、渡邊さんのまっすぐな環境への姿勢と、住まいに対するおおらかな愛情が、空間全体にやさしく表れていました。 また、渡邊さんがすべての物は「神様からの贈り物」と表現されていたことも忘れられません。 木も、繊維も、土も、それぞれ自然の循環の中にあり、私たちはそれらを使わせていただいている立場にあり、「建築は、長く愛せるものをつくらないといけない」という渡邊さんの言葉が、心に響きました。 今回の見学で特に関心を持ったのは、サーキュラーコットンボードと繊維由来の断熱材です。 繊維廃材からつくられたサーキュラーコットンボードは、断熱性や吸音性に優れているうえ、加工性・施工性も良好で、画鋲を刺すことも可能なため、掲示スペースのアクセント壁としても活用できます。 90%以上がリサイクル原料という点で、廃棄物削減にも大きく貢献する素材です。 また、セルローズファイバーと同様に使用できる断熱材も紹介されており、性能もセルローズファイバー以上とのことで、とても期待が持てる材料だと感じました。 建築における「環境負荷を減らす」ということは、単にエネルギー効率を高めるだけでなく、素材の選び方やその背景にあるストーリーに目を向けることでもあるのだと、あらためて気づかされました。 今後、このようなアップサイクル素材が多用されていけば、建築の現場にも新しい循環の価値観が根づいていくと思います。 建築は単なる“モノづくり”ではなく、自然と人、そして時間とつながる営みなのだと強く実感しました。 見学会後の懇親会では、主催の結めぐる㈱ 篠崎さんの手づくりによる、体にやさしいお料理がふるまわれました。
とてもおいしく、楽しく、学びのある素敵なヒトトキでした。 このような貴重な体感の場をいただき、本当にありがとうございました。 コメントの受け付けは終了しました。
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6月 2025
㈱POTOS DESIGN OFFICE
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