21_21 DESIGN SIGHTで開催されている企画展「方丈記に学ぶ ―生きるを編み直す小さな建築―」を見てきました。

21_21 DESIGN SIGHTは、建築家・安藤忠雄氏による設計。

三宅一生氏の服づくりのコンセプト「一枚の布」から着想を得た、一枚の鉄板を折り曲げたような大きな屋根が特徴的な建物です。

地面に向かって傾斜する屋根の下には、地下へと広がる展示空間があります。

内部のコンクリート打ち放しもとても美しく仕上げられており、細部まで丁寧につくられていることが感じられます。

また、地下にありながら自然光が差し込む屋外のような中庭もあり、建物そのものも見応えのある空間でした。

鎌倉時代初期に鴨長明によって書かれた「方丈記」。

災害や疫病、社会不安が続く時代の中で、鴨長明がたどり着いた一丈四方(約3.03m四方)、約9㎡の小さな庵「方丈庵」を起点に、現代の暮らしや建築について考える展覧会です。

会場には、建築家やデザイナー、美術家など、それぞれの解釈による現代の「方丈庵」が展示されています。

「方丈記」から何を読み取り、それを現代の暮らしや建築へどう置き換えているのか。

一つひとつの展示を見ながら考えてみましたが、なかなか理解が追いつかない部分もありました。

そんな中で、特にリアリティがあり、印象に残ったのが山口晃さんの「螺庵(つびあん)」です。

小さな小屋の中には、寝る場所があり、腰を掛ける場所があり、キッチンや収納、そしてトイレまで設けられています。

限られた空間の中に、人が暮らすために必要なものがぎゅっと凝縮されています。

それでいて単に小さくまとめただけではなく、建具や窓、棚、天井まで細かな工夫が詰め込まれていて、実際にこの中で人が暮らしている姿まで想像できるような、とてもリアルな小屋でした。

一丈四方という限られた大きさの中で、何を残して、何を省くのか。

普段は住宅を設計する中で、収納を増やしたり、部屋を広くしたり、さまざまな機能を加えていくことを考えますが、その反対から住まいを考えてみることも面白いと感じました。

また、中庭に再現された、自然に囲まれた「蓑庵(マウン庭)」もとても素敵でした。

コンクリートの建物の地下にありながら自然光が差し込む屋外の中庭。
土や草木に囲まれた小さな庵がひっそりと佇んでいます。

周囲の自然と一体となったその姿も、とても印象的でした。

展示全体を理解できたとはなかなか言えませんが、建築としても暮らしの場としても、とても興味深い展示でした。

素敵な建物を見学しながら、住宅を設計する立場としても、改めて小さな小屋の魅力に触れる機会となりました。