西国分の家
​外壁の付加断熱工事が完了しました。
今回採用した断熱材は、ネオマフォーム 45mm。
フェノールフォーム系の高性能断熱材です。
ネオマフォームは、

  • 薄くても高い断熱性能
  • 経年劣化が少ない
  • 透湿抵抗が高い
  • 火災時に燃え広がりにくく、発煙量が少ない

といった特徴があります。

今回ネオマフォームを採用した最大の理由は、
外気からの湿気の流入を抑える効果が高い点です。

夏の逆転結露対策として、室内側に可変型透湿シートを施工する事が多いと思います。
ただしその場合、外側の構成によっては、外気側から壁体内へ湿気が入りやすくなる点には注意が必要です。

そのため西国分の家では、
外側の付加断熱に透湿抵抗の高いネオマフォームを用い、
外気からの湿気の流入を抑える構成としています。

壁構成の違いによって、外壁を通してどの程度の湿気が移動するのか。
今回は、同じ条件下で 2つの断熱構成について、湿気還流量を実際に計算して比較してみました。

岐阜県立森林文化アカデミーの辻先生が開発された「環境デザインサポートツール」より数値を用いて計算しました。
無料公開されている「防露計算ツール」でも確認できます
前提条件
外壁面積:156.5㎡
室内の水蒸気圧:2018 Pa
外気の水蒸気圧:3838 Pa

外と中の差は、
3838 − 2018 = 約1820 Pa

ネオマフォーム+グラスウールの場合

材料の通しやすさ
湿気還流率:21.266 ng / ㎡・s・Pa

1秒あたりの湿気量
21.266 × 156.5 × 1820
= 約6,060,000 ng / s

※ ng(ナノグラム)はとても小さい単位なので、
10億で割って g(グラム)に直します。
6,060,000 ÷ 1,000,000,000
= 0.006 g / s

1時間あたり(g/h)
0.006 × 3600
= 約21.8 g / h

24時間あたり
21.8 × 24
= 約523 g / 24h
= 約0.52 L / 24h


グラスウール単層の場合

材料の通しやすさ
湿気還流率:261.605 ng / ㎡・s・Pa

1秒あたりの湿気量
261.605 × 156.5 × 1820
= 約74,500,000 ng / s

g に直すと、
74,500,000 ÷ 1,000,000,000
= 0.075 g / s

1時間あたり(g/h)
0.075 × 3600
= 約268 g / h

24時間あたり
268 × 24
= 約6,440 g / 24h
= 約6.44 L / 24h


同じ条件で比較すると、

ネオマフォーム+グラスウール
→ 約22 g/h(約0.52 L/日)

グラスウール(単層)
→ 約 268 g/h(約 6.43 L/日)

となり、外壁を通過する湿気量に差があることが分かります。

夏の湿気流入を少しでも減らせるよう、断熱性能だけでなく、壁体内の湿気の動きも踏まえて、壁体構成を検討しながら計画しています。