木造住宅の耐震設計
/構造計算による
耐震等級3を標準に
家族の生命と財産を守るため、木造住宅でも
構造計算による耐震等級3の設計を標準としています。
耐震等級3は、稀に起こる地震(震度5強程度)では損傷せず、極めて稀に起こる地震(震度6強〜7程度)でも倒壊・崩壊しない性能を目指す、住宅性能表示制度の最高ランクです。
大地震の後も安心して暮らし続けられる住まいを目指し、私たちは許容応力度計算による耐震等級3を標準としています。
/熊本地震が示した、
構造計算の重要性
2016年の熊本地震では、観測史上初めて震度7が2回発生。建物の「耐震性能の差」が、被害の差となって表れました。
仕様規定のみの建物
簡易な壁量計算(仕様規定)のみで建てられた建物では、熊本地震で半数近くが被害を受けました。基準を満たしていても、繰り返す揺れには十分とは限りません。
構造計算された建物
一方、耐震等級を取得した建物は87.5%が無被害。力の流れを一邸ごとに計算で確かめることが、大地震での明暗を分けました。
大地震後も住み続けられる住まいを目指す
大切なのは、倒れないことだけではありません。繰り返す揺れによる損傷まで見据えて構造を設計し、地震の後もそのまま暮らし続けられる住まいを目指しています。
/許容応力度計算による構造設計
専用の構造計算プログラムを用いて、建物にかかる地震力や風圧力を詳細に検討し、柱・梁・基礎に至るまで安全性を確認します。
目に見える壁量だけでなく、建物全体の力の流れを検証することで、より信頼性の高い構造設計を行っています。

/計算方法によって異なる耐震性能

耐震等級は建物の強さを示す指標ですが、同じ耐震等級3であっても、採用する計算方法によって実際の強度には差があります。
当事務所では、より詳細な検討を行う許容応力度計算を採用し、高い耐震性能の確保に努めています。
/これからは「耐震+制振」
繰り返す大地震に備え、揺れそのものを抑える。
熊本地震のように、大きな揺れが何度も襲うことがあります。倒れない「耐震」に加え、地震の揺れを吸収する「制振装置」を採用することで、建物への衝撃を和らげ、損傷の蓄積を抑えます。
耐震で建物の強度を確保し、制振で地震の揺れを抑える。二つの考え方を組み合わせることで、建物へのダメージを軽減し、長く安心して住み継げる住まいを目指します。

/木造建築物 構造検討業務
軸組工法の木造建築物について、各種の構造検討業務を承っています。
- 構造計算(許容応力度計算)
- 性能表示計算(耐震等級・耐風等級)
- 基準法仕様規定(壁量計算・壁量バランス・N値計算)
- プレカット図 部材安全検討
/よくあるご質問
2階建ての木造住宅でも、構造計算は必要ですか?
すべての2階建て木造住宅に許容応力度計算が義務付けられているわけではありません。2025年4月に施行された建築基準法改正(国土交通省)により、木造戸建住宅の構造関係の確認が見直され、構造安全性を確認することがこれまで以上に重要になっています。当社では、義務の有無にかかわらず、木造住宅は原則として許容応力度計算を行い、耐震等級3を標準としています。
壁量計算と許容応力度計算は何が違うのですか?
確認する範囲が異なります。壁量計算は主に必要な耐力壁の量や配置を確認するのに対し、許容応力度計算では、柱・梁・耐力壁・接合部・基礎など、建物全体の構造安全性を確認します。さらに、地震力を耐力壁へ伝える床や屋根などの「水平構面」についても検討します。
「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は何が違うのですか?
耐震等級3と、単に「耐震等級3相当」とすることは同じではありません。耐震等級3は、等級1で想定する地震力の1.5倍の力に対して、構造躯体が倒壊・崩壊等しない程度の性能です。基準法で求められる壁量を1.5倍にしただけでは、耐震等級3とはいえません。耐力壁だけでなく、水平構面や柱・梁、接合部、基礎などを含め、建物全体の力の流れを確認する必要があります。当社では、許容応力度計算によって建物全体の構造安全性を確認しています。
耐震等級3にすると、間取りに制約ができますか?
必ずしもそうではありません。むしろ、構造を整理することで設計の自由度を高めることができます。当社では、意匠を決めてから構造を合わせるのではなく、設計の初期段階から構造を検討します。構造をシンプルに整えることで、大きな開口や吹き抜けなども含め、デザインと耐震性能を両立させた設計が可能になります。
構造計算をすると、住宅の費用は高くなりますか?
耐震等級1の住宅と比べると、基本的には構造にかかる費用は増えます。耐力壁の増加や耐力面材など、必要となる仕様があるためです。一方で、構造計算によって柱・梁・耐力壁・基礎などを合理的に配置することで、不要な部材を減らすこともできます。当社では、必要なところにはしっかりとコストをかけ、無駄を省きながら、必要な性能を確保することを大切にしています。