昨年末からインフルエンザが猛威をふるい、予防のため加湿が提唱されています。 冬は室内が乾燥しやすく、加湿器を使用する方も多いでしょう。 そこで、冬の入浴後に発生する浴室の湿気を有効活用し、室内の加湿効果を得る方法を検討しました。 画像左側は浴室内に風を送る循環ファン 右側は排気時に使用する換気扇です。 排気に使用する換気扇は清掃時や中間期などに使用します。 循環ファンの仕組み 浴室の循環ファンは、浴室の乾燥を促進するために室内の空気を取り込み、風を吹き出して水蒸気を室内に循環させる仕組みです。 これにより、夏季はエアコンで除湿し、冬季は加湿効果を得ることができます。 また、浴室の入口前にサーキュレーターを置き、浴室内に風を送ることで、循環ファンと同様の効果を得ることが可能です。 サーキュレーターやファンがなくても扉を解放しておくだけでも空気は循環します。 1回の入浴で得られる加湿効果 入浴後に浴室で発生する水蒸気量をSwitchBot温湿度計を元に計算しました。 1回目入浴後(20:39)の浴室温湿度:26.5℃ / 97%(絶対湿度: 24.28g/m³) リビング(同時刻)の室内温湿度:23.6℃ / 46%(絶対湿度: 9.78g/m³) 絶対湿度g/m³は空気1m³中に含まれる水蒸気量 絶対湿度差: 24.28g/m³ - 9.78g/m³ = 14.5g/m³ 浴室の気積: 1.6m × 1.6m × 2.15m = 5.5m³ 水蒸気量: 5.5m³ × 14.5g/m³ = 約80g 浴槽の蓋を閉じ、浴室および洗面脱衣室の扉を開けて水蒸気を循環させると、1回の入浴で約80gから100gの水蒸気(コップ1杯くらい)が室内に循環されます。 さらに、浴室床面に残った水分(実測で約250g)も数時間かけて蒸発します。 4回入浴した場合の加湿効果 4人家族が順に入浴した場合、リビングの温湿度変化を測定しました。(エアコンおよびトイレ換気扇稼働) 1回目入浴後(20:39): 23.6℃ / 46%(絶対湿度: 9.78g/m³) 4回目入浴の40分後(23:00): 23.8℃ / 51%(絶対湿度: 10.97g/m³) 絶対湿度差: 10.97g/m³ - 9.78g/m³ = 1.19g/m³ 室内総気積: 288.5m³ × 1.19g/m³ = 約343gの加湿量 また、水が水蒸気に変わる際の気化熱は2442kJ/kgです。したがって、343gの水が蒸発する際に必要な熱量は、 343g × 2442kJ/kg ÷ 1000 = 837kJ 1Whは3.6kJに相当するため、837kJ / 3.6kJ/Wh=232.5Wh 入浴時間を除く1時間位で、約232Wの熱エネルギーを使用せずに加湿効果を得られることがわかりました。 換気扇を使用した場合の損失 浴室の湿気を換気扇で排出した場合の損失を計算しました。 換気量: 60m³/h(1時間運転を想定) 外気温湿度: 5.4℃ / 77%(絶対湿度: 5.37g/m³) 室内温湿度: 23.6℃ / 46%(絶対湿度: 9.78g/m³) 室内から排出される水蒸気量: 9.78g/m³ × 60m³ = 約587g 外気から取り込まれる水蒸気量: 5.37g/m³ × 60m³ = 約322g 水蒸気の減少量: 587g - 322g = 約265g 熱損失: 60m³ × 温度差(23.6℃ - 5.4℃)18.2K × 0.34W/m³K = 約371W 浴室の湿気を室内に循環させることで、約343gの水蒸気を加湿し、232W分のエネルギーを節約できます。一方、換気扇を使用すると、約265gの水蒸気と371Wの熱が失われます。湿気を循環利用することで、冬場の乾燥対策と省エネルギー効果が期待できます。 浴槽の蓋を開けて残り湯のエネルギーを利用 加湿量が多くなるため注意が必要ですが、入浴後のお風呂の残り湯が持つエネルギーを計算しました。 浴槽のお湯の量: 150L(150kg) 湯温の変化: 37℃ → 約23℃(12時間後を想定) 温度差: 14℃ 水の比熱: 4.2kJ/kg・K(Kは温度差) エネルギー量: 150kg × 4.2kJ/kg・K × 14K = 8820kJ また、水の蒸発潜熱は2442kJ/kgであるため、 蒸発する水量:≒ 8820kJ ÷ 2442kJ/kg ≒ 3.61kg(約3.6L) これにより、12時間で約3.6Lの水分が蒸発します。電気や熱を使用せず、1時間あたり約300gの加湿効果を得ることが可能です。これは、一般的な加湿器を使用した場合とほぼ同等の効果といえます。 注意点 浴室の湿気を室内に循環させる時に何点か注意点があります。
ツールの紹介
絶対湿度を計算する際には、以下のアプリが便利です。温度と相対湿度を入力するだけで、絶対湿度を計算できます。 空気の計算機 - iOSアプリ 湿度計算機 (サイトリンク) 絶対湿度計-iOSアプリ switchbot温度計との連携で便利 新年明けましておめでとうございます。 昨年は、多くの方々に支えられ、たくさんの学びと出会いをいただいた一年でした。 心より感謝申し上げます。 本年もどうぞよろしくお願い致します。 今年一年も無事に、そして健康に過ごせるよう願いを込めて、桐生市の比呂佐和神社へ初詣に行って参りました。 おみくじは 小吉 その中には「心を誠にし身を慎んで勉強すれば草木が天の恵の雨露を得て栄える如く次第に幸福が増して嬉しい事があります」と書かれていました。 今年も、この言葉を胸に、色々と考え、学びながら進んでいきたいと思います。 元旦には、家の前の通りをニューイヤー駅伝が通ります。
このイベントを毎年楽しみにしており、今年も選手たちの姿を間近で応援できるのが嬉しいひとときです。 2025年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますように! 今年も残すところ、あと僅かとなりました。
たくさんの方々のお陰様で一年間無事に過ごすことができました。 本当にありがとうございます。 来年も皆様にとって幸多き一年となりますようお祈り申し上げます。 どうぞ良いお年をお迎えください。 もくしるべ・わたらせきになる会 第3回イベントに参加しました。 群馬県伊勢崎市の剛工務店 生形さんを中心に始まった「もくしるべ」とみどり市で活動する「わたらせきになる会」と、が主催し、みどり市役所の方々、学校関係の方々のご厚意により、群馬県みどり市にある「みどり市立笠懸西小学校」を見学させていただきました。 令和4年に開校した新設校で、みどり市の豊富な森林資源を壁やルーバー、屋外テラスの再生木などに積極的に利活用し、木のぬくもりとやさしさを感じられる空間が広がります。 また、災害時の避難所機能を兼ね備え、停電時でも使用できるガス燃料の自立運転型空調機や太陽光発電と蓄電池設備、自然換気システム、雨水再利用の節水トイレ、体育館では地中熱利用換気システムなどを備えています。 「ラーニングヒル」と呼ばれる大きな階段は、図書館などとつながり、一体として広く利用できる多目的スペースです。 壁面にはルーバー状のみどり市産の木材が多用されています。 各所に開けた開口部からは赤城山や近隣の山々の美しい自然が望めます。 体育館の屋根トラス トラスのダンパー部分には特殊に加工された木材が利用されています。 体育館の窓の可動式ルーバー 「みどりプラザ」と呼ばれる半屋外空間と一体利用できるフルオープン窓には、ボールなどの飛散防止を兼ねた格納できる可動ルーバー設置されています。 「みどりプラザ」に設置されているストーブベンチ いざという時にストーブやコンロになる優れものです。 木材の利用も素晴らしいですが、防災機能も充実しており、感心させられる建物でした。 続いて、みどり市にある「おむすび堂」の見学をさせていただきました。 子ども食堂として2022年3月に開所した「おむすび堂」は、子どもの第3の居場所として、社会福祉法人チハヤ会が日本財団の補助を受けて運営しており、松島匠建さんが施工しました。 地元の山の木や群馬の木を活用した建物づくりで、1階は薪ボイラーで湯沸かしの足湯がある茶屋、食堂、ギャラリーがあり、2階には子どもの居場所であるプレイルームが設けられ、ぬくもりのある居心地良いスペースになっています。 ここは子どもだけでなく、スタッフさんの会議や憩いの場にもなっているそうです。 説明をいただく中で、運営されている方々が松島さんへ心から感謝の気持ちを伝えられている様子が印象的でした。 子ども食堂の運営費用は、一般向けの茶屋や商品の販売利益、寄付などで賄われているとの事です。 現在、おむすび堂は群馬県内の子ども食堂の材料収集拠点にもなっているとの事でして、群馬県内にも多くの子ども食堂があるようですが、それだけ利用を必要とする子どもたちが多いという現実に胸が痛くなりました。 その後、懇親会場へ移動する前に、少し時間が空いたので、懇親会場近くにある気になるお店「HANDLER Inc」にお邪魔しました。 こちらのオーナー、中島雄一さんは、世界に5台しか現存しないとされる貴重なハンドルミシンのうち2台を所有されています。店内には、100年から50年前の各種ミシンが並べられ、昔に縫われた刺繍を当時と同じ年代のミシンで補修するなど、細やかな技術が施されています。 ハンドルミシンは、360度回転するハンドルを右手で回しながら刺繍の方向を操り、左手で支えたミシン台の上の布に図柄を描いていくという、独特の手法で刺繍を仕上げるものです。 突然訪れた私たちのために、オーナーの中島さんは快く即興で刺繍を作成してくださいました。 その素晴らしい職人技と心遣いに感動しました。 ありがとうございました。 懇親会は、「きになる会」メンバーである南雲建設さんが工事に携わったゲストハウス&レストラン「OKIYA」で行われました。 こちらは、アルゼンチン出身のガブリエルさんとそのご夫婦が営むお店で、本場の地中海料理やアルゼンチンの郷土料理を提供しています。 南米で古来から親しまれているマテ茶も楽しむことができました。 マテ茶は、茶・コーヒーと並ぶ世界三大飲料のひとつで、鉄分、カルシウム、ビタミン、葉緑素が豊富なことから「飲むサラダ」とも呼ばれているそうです。 また、本場スペインで修行を積んだ自慢のパエリアは絶品でした。 ごちそうさまでした。 歓談の中で、ガブリエルさんご夫婦が、南雲建設の南雲さんへ心からの感謝の気持ちを伝えている場面は印象的で、感謝や幸せを深く感じられる大変貴重な一日となりました。
皆さん、本当にありがとうございました。 新川の家 リビングの勾配天井に板が張られました。 ラスティックオーク オイルフィニッシュ 15㎜ フローリングとして使用するものを天井に採用していただきました。 ラスティックとは、英語で「飾り気のない」「素朴な」「田舎風な」といった意味を持ちます。 ラスティックフローリングは、それぞれの木が持つ木目やかすれ、色の濃淡や節などを隠すことなくそのまま活かした床材です。 ペンダント照明が取り付く箇所に穴を開け 天井板の一部を取り外し可能にしました。 天井裏で引掛けシーリングに接続し、照明のフランジ部分が見えないように細工をしていただきました。 ペンダント照明がスッキリと納まります。 ありがとうございます。 フローリング張りも進んでいます。 節や模様のあるラスティックフローリングは表情が豊かで、とても良い質感です。 床下換気&エアコン吹き出し口「エアトオル」も設置されました。
昨日は冬至 一年で一番太陽が低く、たくさんの日射を取り込むことができます。 群馬県桐生市で進捗中の新川の家で、窓から入る日射の確認を行いました。 まずは日射量データベース閲覧システムからデータの確認 地域、日時、角度、取得面などを調整して、日射量を知る事が出来るサイトです。 ネット上で無料で確認できます。 https://appww2.infoc.nedo.go.jp/appww/index.html 冬至付近の日射量の多い22日を確認 群馬県桐生市の12時の南鉛直面の日射量 3.31MJ/㎡(h) 単位を変換すると 3.31MJ/㎡(h)x1,000,000÷3600s=919w/㎡ となります。 1㎡の鉛直面に919wの熱エネルギーが降り注いでいることになります。 実際にソーラーパワーメーターで測定してみると 978w/㎡ 日射量データベース(2013データ)より若干多めの日射量です。 窓を閉めた状態でガラスの日射熱取得を確認 エクセルシャノン NS50 ESクリア 日射取得率はカタログ値で58% メーカーの自己適合宣言書では41% 実測値は520w/㎡ 実際の日射取得率が 53%となります。 日射取得熱を計算すると サッシ1本(幅2.6m 高さ2.2m) 日射が当たるガラス面積 w1.17mxh1.42mx2枚 網戸(60%取得くらい)が片側にあると想定して 1.17mx1.42mx520w/㎡ + 1.17mx1.42mx520w/㎡x0.6= 概ね1382wエネルギーが入ってきます。 サッシ2本で2764wですから8畳用エアコンの暖房と同じくらいのエネルギーを無料で享受できます。 お日様エネルギーは本当にありがたいですね。 日射の届く範囲の確認 窓から概ね2.6m位となります。 アーキトレンド及びホームズ君のシミュレーション結果とほぼ同じになってます。 ソフトウェアは本当に良く出来てますね。
昨日は松島匠建さんの伊勢崎の現場にて、エディフィス省エネテック株式会社 改正社長による第一種換気「VENTOsan ヴェントサン」の説明と実測にお邪魔させていただきました。 「VENTOsan ヴェントサン」は、1999年にドイツで開発されたデセントラル(分散型セントラル)換気システムです。建物全体に分散配置した壁付け熱交換ユニットを1台のコントローラーで集中制御するシステムで、当社でも採用実績のあるダクトレス第一種換気となっています。 部品の構成や説明、施工上の要点などについて細かくご説明いただきました。 今回、説明を聞いて特に素晴らしいと感じたのは CO2デマンドコントロール機能 CO2センサーと連動して、部屋の中のCO2濃度が増えると風量を上げて快適な空気環境を保つ機能。 凍結防止(給気温度コントロール) 給気温度の低下を温度センサーが感知すると、自動的に排気運転になり、凍結や結露を予防する機能。 長期間の部品供給 販売開始から約25年が経過しても、基本的な構造を変えず初期の機器への部品供給を行っている点。 リサイクルへの配慮 部材をしっかりと分別処分できるように配慮された部品設計。 特にファンに設置された凍結防止用の温度センサーについては、ドイツでは全く説明されないとのことですが、こうした細やかな配慮が素晴らしいと感じました。 ファンの実測状況 70秒ごとにファンが連動して反転し、給排気が切り替わります。通過する給排気の熱を蓄熱エレメントに蓄積・回収しながら換気を行っています。 その後、場所を移してperiwinkle 深澤さんのご自宅にお邪魔しました。 自立研関東ゼミの第3回発表会の後、改正さんがご自宅の空調改善のため実測を行っており、お手伝いができればと思い伺いました。 美味しいコーヒーを淹れていただきながら、換気や建築についてさまざまなお話をさせていただきました。
また、同時給排のレンジフードを採用した場合の改善案や、ケストレルの測定面の前後による風量に差が出るなど、新たな発見もあり、とても有意義な時間となりました。 ありがとうございました。 セントラル浄水器ビューター セントラル浄水とは、家庭全体の水道水を一括して浄化するシステムです。 通常の浄水器はキッチンの蛇口やシャワーヘッドなどに取り付けて使用しますが、セントラル浄水は家の水道の元栓に設置するため、家中どこでも浄水を利用できる点が特徴です。 家中のすべての蛇口から出る水を一括して浄化するため、料理や飲み水だけでなく、洗顔やお風呂、洗濯など、あらゆる場面で安心して使える水を提供します。 私も2年ほどセントラル浄水を使用していますが、実感している効果として以下があります。 水道水がおいしくなった 冬に手の皮が剥けるような手荒れがなくなった 電気ケトルのカルキ汚れがほとんどない お風呂のピリピリ感がない 特に水が本当においしく、外出時に水筒に水・白湯をいれて持ち歩いています。 また、カートリッジの価格も手頃で、キッチン用の浄水器と比較して数千円高い程度。 交換頻度も1年に1回で済むため、メンテナンスが楽です。 先日、自宅に設置している「ビューター」のフィルター交換を行いました。 交換作業は工具不要で簡単に行えます。 まず、給水を停止し、本体を開けて古いフィルターを取り出します。 左側が一年使用したフィルター フィルター外側に少々藻のようなものが付着しております… 濡れていると比較しにくいので、1日乾かしてみました。 結構よごれが目立ちます… 新しいフィルターを正しくセットし、交換完了。 浄水器の設置位置は水道メーターの近くとなり、既存のお住まいでも後から埋設設置が可能となります。 セントラル浄水を設置することで、さまざまな器具の選択肢が広がり、家のどこでも浄水が使用できるため、新築のお客様には特にお勧めしています。
新川の家 外壁のSGL鋼板(次世代ガルバリウム鋼板)張り 使用材料は屋根に使用する横葺き材となります。 材料の裏面はポリ付きとして 雨音の軽減を期待します。 通気層をしっかりと確保します。 開口部周りは、役物部材を使用せず 曲げ加工で綺麗に納めていただいております。 表面はさざ波ありとして、材料にコシを持たせ、葺き上がりの歪みを抑えます。 丁寧な工事に感謝いたします。
ありがとうございます。 先日はパッシブ換気シンポジウム2024に参加してまいりました。 会場が池袋でしたので、午前は自由学園明日館を見学しました。 自由学園明日館は、1921年(大正10年)に創設された女学校・自由学園の校舎として、巨匠フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新により設計されました。 前回訪れたのは17年ほど前 時間の流れはとても速く感じますが、ここは当時と変わらず、素敵な空間が広がっていました。 この日は来館者も少なく、ゆっくりと見学することができました。 午後からはシンポジウムに参加しました。 パッシブ換気とは、機械に頼らず、自然な空気の流れだけで換気を行うシステムです。 暖かく軽い空気が上昇し、その温度差と高低差を利用して換気を行うという原理で、換気機械のない大昔から建物に活用されてきた、先人の知恵でもあります。 第1部の講師は、北海道科学大学名誉教授であり、パッシブシステム研究会理事長の福島明先生 福島先生は、「一般的な換気設備では、換気すればするほど快適ではなく、不快になる場合がある」と指摘されたことが、とても印象的でした。 これまで第一種換気をいくつも採用されてきましたが、適切に運用されないケースが多く、その結果、結露やカビなどの問題が頻発しました。それらを踏まえ、最終的に行き着いたのがパッシブ換気であるとおっしゃっていました。 第2部では、山本亜耕建築設計事務所の山本亜耕さんが登壇され、「パッシブ換気の可能性」として、ご自身の実績物件について詳しく説明をいただきました。
とても魅力的な山本亜耕さんの建物もめぐる北海道断熱修行… 参加したいです。 第3部では、本州におけるパッシブ換気の事例発表が行われました。 鳳建設の森亨介さん、佐藤工務店の佐藤社長をはじめ、さまざまなパッシブ換気の事例を伺うことができました。 第一種換気がスタンダード化しつつある昨今、改めて考えさせられる機会となりました。 とても勉強になりました。 ありがとうございました。 先日は、マスタープラン/小谷和也設計室 小谷さんによるマンションリノベーション「仲宿の家」のオープンハウスに参加させていただきました。 鉄筋コンクリート造のマンションの1室をスケルトン状態にし、国内産の木材をふんだんに使用した、縁側と小上がりスペースを持つ、とても素敵で洗練されたリノベーション物件でした。
部屋全体のプロポーションや造作家具、建具の繊細な納まり、無垢材や断熱材などの素材への細部にわたるこだわりが際立っており、 また、既存のサッシや玄関ドア、給気口などもアウターを整えることで目立たせず、機能とプロポーションの調和がとても印象的でした。 室内は各所を回遊できる設計になっており、扉を閉めていてもガラリや上部の引き戸を通して空気が流れる仕掛けが随所に工夫されています。その結果、エアコン1台で住戸全体の温熱環境が整うよう配慮されていました。 施工を担当された㈱TOIVOの社員大工さんが、キッチンを含む造作家具を大工工事で手掛けたことで、各所の取り合い部分が余分なフィラーを使わず、綺麗に納められていました。 一般的なマンションの間取りから、ここまで快適な住まいにできることに感動しました。 懇親会にも参加させていただき、施工会社㈱TOIVOのメンバーの方々や参加された方々とも色々お話しする機会をいただきました。 また、林野庁の方も参加されており、国産木材の活用やウッドファイバー断熱材の国産化について、小谷さんとの熱い議論を伺うことができました。 極力国産の材料や木材を使用し、環境にも配慮された小谷さんの考えが詰まった、素晴らしい木のマンションリノベーションでした。 新築住宅においても応用すべき点が多く、大変勉強になりました。ありがとうございました。 新川の家 気密シート張りが進んでます。 断熱工事が完了した室内はとても暖かく 大工さんは汗を流しながらシート張りを行っていました。 シートには WURTH(ウルト) 可変調湿気密シート ウートップ® SDヴァリオ ツヴァイ を使用しています。 一般的な防湿気密シートは、室内の壁や天井(屋根)にしっかり貼ることで、壁内や小屋裏への湿気や水蒸気の侵入を防ぐ役割を果たします。 一方、可変調湿機能を持つシートは、冬場は通常の防湿気密シートと同様に気密性を確保し、湿気を通さず、夏場になると、蒸し暑い外気が室内の冷気で冷やされて発生した湿気を、室内側へ移動させることで適切に放出します。 特に高温多湿な地域では、外気の蒸し暑い空気が壁内で冷やされ、断熱材内で結露が発生する「夏型結露」への対策が重要です。 ただし、夏に室内側へ移動する水蒸気量も無視できないため、慎重に検討を行いました。 建築用防湿フィルムを使用した場合、夏型結露を想定して屋根裏面の温度60℃、相対湿度20%、絶対湿度25g/kgDAという条件で試算しました。 この条件では、シートと断熱材の間で若干の結露が発生する可能性が確認され、湿気の流入量を計算すると、屋根100㎡で8.2g/時、24時間で約0.2リットルとなりました。 一方、可変調湿シートを使用した場合、同条件下で結露のリスクは解消されました。 ただし、湿気の流入量は増加し、約150g/時、24時間で約3.6リットルという結果になり、室内へ流入する水蒸気量としては無視できない量です。 これらの検討結果や、メーカーから提供された事例を踏まえ、夏型結露対策の重要性を改めて認識し、最終的に可変調湿気密シートの必要性を感じて採用を決定しました。 玄関木製ドアも設置され、順調に仕上がりが進んでいます。
㈲オストコーポレーション北関東主催 木製サッシのデザイン・製作・販売を手掛けるCURATIONER(キュレイショナー)/(株)山崎屋木工製作所の新工場見学ツアーに参加させていただきました。 新工場のサッシはすべて木製を採用されてます。 特に大型扉の木製引き分け戸は、扉一枚が約400kgもあるとのことですが、とてもスムーズに開閉できるのが驚きです。 山崎社長とスタッフの方々から工場の説明を受けた後、サッシ製作過程の解説と加工現場の見学をさせていただきました。 木製サッシの主な材種は長野県産のカラマツと木曽ヒノキ。 特にカラマツは狂いが激しいため、積層構造にして安定した使用が可能になるそうです。 加工は、プレーナーで表面処理された材を全自動CNCマシニング(全自動切削加工機)で行われます。 この機械で加工の99%が完了し、高い品質を安定して確保できるとのことでした。 形状の違う上枠と下枠の部材が、同時に数分で加工完了する様子を見学しました。 高度な精密加工技術に感銘を受けました。 組立状況 ホゾ加工の精度が非常に高く、狂いがほとんどないため、正確な対角が出るとの事です。 接合部には、表面をギザギザにして接着面積を増やす工夫も施されており、細部へのこだわりを感じました。 続いて塗装工程 塗装も全自動で行われます。 機械が形状をスキャンして大きさを確認し、形状に合わせ最適な塗装が行われます。 新しく採用されるRENNER社の塗料 半造幕半含侵で木目を美しく活かした仕上がりが可能との事です。 いただいたサンプル帳も素晴らしいものでした。 続いて打ち合わせスペースに移動しお話を伺いました。 レッドシダーのシングル葺きと無垢の鉄板外壁+木製サッシが調和した、とても素敵な建物 山崎社長から、これまでの歩みや木製サッシに取り組む経緯、製品への情熱、そして環境への配慮についてお話を伺いました。 規格品ではなく特別な製品を造る楽しさを語る姿に、ものづくりへの熱い想いが伝わり心を打たれました。 建物内部の壁に張られたランダム板 床に敷き詰められた木材 加工で出た端材を用いた壁材や床材が使われており、長く育った木材を無駄なく活用する姿勢に感動しました。 木製サッシの断面モックを拝見しました。 画像左側のものは標準の枠で、トリプルガラス仕様の80mmサッシ枠です。 木製サッシ協会などで使用されるスタンダードな56mm枠に比べ、より重厚であることが分かりました。 中間と右側のサッシは、パッシブハウスモデルの120mm枠です。 超高性能でありながら、見付け幅を大きくしすぎることなく、強度と断熱性能を確保するために試行錯誤を重ねて製造されました。 こうした製品づくりへのこだわりに、大変感銘を受けました。 宿泊地は長野県千曲市の戸倉上山田温泉。 紅葉が終わりかけの山々も美しかったです。 山崎社長におすすめいただいた温泉施設「万葉超音波温泉」を訪れました。 こちらは単純硫黄泉のかけ流し温泉で、超音波が発生する仕組みになっています。 入浴することで骨の温度が摂氏0.5度から1度ほど上がるそうで、体の芯からしっかりと温まることができました。 見学後の懇親会では、参加者の皆様と楽しいひとときを過ごしました。 翌日は、CURATIONERサッシを採用した2棟のパッシブハウスを見学しました。 最初に訪れたのは、パッシブハウスジャパン代表理事の森みわさんが設計した「追分の家」です。 パッシブハウスは、ヨーロッパの基準や設計手法を日本の気候や文化に適応させ、エネルギー効率が非常に高い建築基準を満たす住宅です。 「追分の家」は昨年6月にも一度見学し、初夏と初冬の異なる季節でパッシブハウスの快適さを体感させていただきました。 森みわさんからは、建築に対する情熱やデザインへのこだわり、機械設備への取り組みについてお話を伺いました。 住まいが変われば(エコハウス)、生活もエコに変わる。 「エコハウス」を提供する私たち建築従事者が、実生活で本当にエコロジーを考えているか? 衣食住を通じて、当事者意識を持ちながら家づくりをしていかなければならないというメッセージは、非常に心に残りました。 貴重なお話をありがとうございました。 続いて追分の家を施工された㈱新津組の「佐久平パッシブハウス」を見学させていただきました。 変則コの字のレイアウトで日射取得とプライバシーを両立し 大型のCURATIONERサッシがいくつも採用された迫力の建物 8.1m飛ばされた空間に設置されたCURATIONERサッシ 建物の構造も特殊な工法で設計されており、とてもダイナミックな空間が広がる素敵なお住まい。 パッシブハウスの温熱環境も素晴らしく、快適さを実感しました。 2日間にわたり、日本最高峰のサッシと建物を実際に見て、触れて、体感する貴重な機会をいただきました。
このような素晴らしい機会をいただき心より感謝申し上げます。 ありがとうございました。 CURATIONER https://curationer.jp/ 新川の家 屋根充填断熱材としてセルローズファイバーが施工されました。 セルローズファイバーには、次のようなメリットがあります
屋根は55k300㎜の厚みでセルローズファイバーを充填しました。 「新川の家」は、高断熱のQ1.0住宅で、以下の性能を実現しています。 Q値: 1.07 [W/㎡K] UA値: 0.25 W/㎡K(断熱等級7) また、施工業者の方が壁への断熱材充填の様子を分かりやすく示すために、モック(模型)を用意してくださいました。 昨日は、一般社団法人ミライの住宅主催の「住宅空調設計講座 北関東」にスポット参加させていただきました。 会場は埼玉県三郷市で、家づくり 舎ファミリーさんのお引き渡し直前の物件にて講座と換気の実測が行われました。 昨年の空調講座から、講義内容および各種計算シートもアップデートされており、検討すべき事項がさらに多くなっていることを知ることができました。 第一種換気 澄家の実測データを復習
スプレッドシートにまとめ、現地で交換効率がすぐ求められる様にしておきます。 懇親会でも有意義なお話を伺え、とても充実した1日となりました。 皆様、大変お世話になりました。 ありがとうございました。 新川の家 断熱工事が進んでいます。 壁の充填断熱に高性能グラスウール16K105mmを使用し、しっかりと充填しています。 外側には外張りの付加断熱も施し、壁断熱材の総厚は210mmのダブル断熱となっています。 外張り断熱は建物全体を外側から包み込むため、柱や梁といった構造材の部分から熱が逃げる熱橋(熱が通りやすい部分)を防ぐ効果があります。 これにより、断熱性能がさらに向上します。 また、樹脂サッシと躯体の間にもグラスウールを充填し、熱橋(熱が通りやすい部分)を極力減らす工夫をしています。
昨日、もくしるべ 第2回イベント 「近くの山の木 知ってますか?」に参加させていただききました。 このイベントは、群馬県みどり市で活動する「わたらせきになる会」と、伊勢崎市の剛工務店 生形さんを中心に始まった「もくしるべ」が主催し、群馬県みどり市の松島匠建さん協力のもとで開催されました。 会場となったのは、群馬県みどり市東町沢入にある松島匠建さん所有の山で、ここでは林業家の方々が間伐などの森林管理作業を行っています。 今回は、伐倒イベントに加えて、林業の現状や今後の展望について意見交換をする場も設けられました。 木の状況を説明する松島社長 午前中は山に入り、伐倒の見学でした。 少し雨が降っていましたが、伐倒の時にはほぼ雨も止み、無事に見学をすることができました。 林業家3名による伐倒のがスタート 伐倒には「受け口」「追い口」「ツル」などの伝統的な技術が用いられており、説明を受けながら実際に木が倒れる様子を見せていただきました。 倒す方向に「受け口」を設けます。 背面に設けた「追い口」にクサビを差し、叩いて調整します。 倒れるときの轟音と迫力は、自然の力を改めて感じさせるものでした。 倒す方向を初めに決め、まさしく寸分の狂いもなく見事予定位置に伐倒されました。 年輪を数えると樹齢約80年の立派な杉の木でした。 伐倒された木からは、杉の良い香りが漂ってきました。 伐倒の後はこの木をどの様に出荷するかの説明をされました。 午後には場所を移動し、意見交換会が行われました。 林業家の秋山さんからは、林業を始めたきっかけや仕事内容、現在の林業が抱える課題についてお話がありました。 秋山さんが実践する「自伐型林業」は、個人や小規模グループが自らの森林を管理し、間伐を通じて森林を健全に保ちながら、質の高い木材を生み出す持続可能な林業スタイルです。 林業は人手不足や高齢化、経済的な不安定さ、労働負担や安全性の確保、木材価格の低迷などの課題があります。 現在は補助金が重要な支えとなっている状況との事です。 今回の会には林業家、工務店、設計事務所、製材業、流通業、行政、出版社など多様な方が集まり、地域の木材の魅力をどう伝え、建物にうまく活用し、地産地消で地域を活性化させていくための取り組みについて意見を交換しました。 特に、地場の木材を建築に使う際の流通ルートの確保が今後の大きな課題です。 当社でも群馬県産木材を活用した住まいづくりを提案していますが、特に杉の梁材がたわみやすい点を考慮し、部分的にたわみに強いベイマツや長材の集成材を使用している現状があります。今回の意見交換を通じて、できる限り地場の木材で設計する必要性を強く感じました。 また、自社の山を活用して住宅づくりを行う松島匠建さんの取り組みにも改めて感嘆致しました。 さらに、林業家の伊藤さんは、伐倒後に使用されない木の部位をエッセンシャルオイルの製造・販売に活用する取り組みを行っていらっしゃいます。
杉やヒノキのほかに、赤松なども良い香りのオイルとして販売されており、みどり市の地場木材の新しい可能性を感じました。 貴重な学びの多い、有意義な機会をいただき、ありがとうございました。 秋山林業 https://www.instagram.com/akiyamaforestry/ foreal https://www.foreal.jp/ 昨日は自立研関東ゼミの第3回発表会に参加させていただきました。 今回、群馬・栃木・福島で高性能住宅を手がけるトップランナーの方々による実例発表が行われ、それをもとにしたグループディスカッションも行われました。また、森こうすけさんによるリノベーション実例の発表もあり、とても充実した時間となりました。
発表された物件については、数年のPDCAサイクルを経てさらに改善を図るため、様々な意見が交わされました。森こうすけさんからもアドバイスをいただき、さらなるブラッシュアップが進められるなど、非常に有意義な内容でした。 懇親会も含め、参加者の皆さんの取り組みや視点を知ることができ、貴重な体験となりました。 高性能住宅に暮らすと、温度や湿度のわずかな変化に敏感になるといいます。 そのため、たまにキャンプなど屋外で過ごしたり、古い建物に宿泊したりして感覚をリセットすると、自宅の快適さを改めて実感できるそうです。 築15年になる断熱等級4の我が家も、当時はトップランナー基準に近い性能でしたが、来年からはそれが最低基準に変わります。 実家やアパート暮らしの頃よりは暖かいものの、さらなる高性能住宅に住みたいとしみじみ感じました。 新川の家 制振装置を採用いただきました。 制振ダンパー MER System クロスタイプ 二輪用のサスペンションや四輪用ショックアブソーバーなど、70年以上もの歴史と実績がある油圧技術のメーカー、ヤマハモーターハイドロリックシステム製のサスペンション技術に、モーターボートなどのマリン製品の防錆技術が注ぎ込まれた制振ダンパーです。 ジョイント部分には「クロスピン構造」を採⽤しており、斜め方向からの揺れにも破断せず対応します。 揺れ始めから瞬時に制震効果を発揮し、大きな揺れの領域でも減衰力を維持する「バイリニア特性」を持ち、地震はもちろん、交通振動や台⾵の揺れによるダメージからも⼤切な住まいを守ります。 制振ダンパーには地震力を軽減する性能がありますが、設置するだけで建物が地震に強くなるわけではありません。しっかりと構造計算を行い、耐震等級3を確保して建物自体で地震に耐える性能を備えることが重要です。さらに制振装置を導入し、建物への衝撃を吸収・軽減する「耐震 + 制振」の考え方が大切です。 新川の家 サッシ周りの防水処理が完了しました。 透湿防水シートはウルト社ウートップ® ハイムシールドを使用しております。 こちらの材料は長期間にわたって住宅の耐久性を保つために使用される高性能な透湿防水シートです。 特に、屋内の湿気を外に逃がしつつ、外からの水の侵入を防ぐことで、結露や湿気による劣化を防止します。 80年相当の耐久試験に合格しており、界面活性剤や紫外線にも強いため、施工後も安心して長く使用できる製品です。 窓回りの処理は外部付加断熱材を先行し ウルト社のマニュアルに沿って先行張りを行いました。 タテ枠は防水テープを後張り 上枠は防水両面テープを張りシートを被せます。 一般的に推奨されている防水処理はサッシを取り付けた後に両面防水テープを縦と上部に3方向に張って透湿防水シートを張ります。 どちらにしてもサッシの上部と側面には5mm程度のクリアランスを確保することで、毛細管現象による漏水を防ぐことができます。 防水処理完了後は、散水テストを行い、漏水の有無を確認しました。 内部から漏水の有無を確認しましたが、漏水はありませんでした。 さらに、万が一水が回った際の対策として水返しも設けています。 付加断熱材の下部からの漏水がないことも確認され、水切りがしっかりと機能しています。 最後に、下図はサッシ協会およびサッシメーカーの施工手引きから引用したものです。特に気をつける点として、サッシ下枠のフィンに張る防水テープがあります。
これは、万が一水が窓周りに侵入した場合、適切に水が抜けない事態を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。 新川の家 樹脂サッシを搬入し、取付を行いました。 エクセルシャノン NS50 樹脂サッシとしてはフレーム見付がやや狭く、すっきりとした印象の仕上がりが特徴です。 高い性能を保ちながら、外観や内装にあまり主張せず調和するのが良いですね。 トリプルガラスの掃き出し窓は、ガラスが重いので施工が大変です。
ありがとうございました。 昨日、新横浜で開催された「構造塾カンファレンス」に参加してきました。 佐藤実塾長率いる構造塾の年に1回の大交流会で、普段はZoomで参加している構造塾のグループコンサルメンバーの方々と直接お話しする機会となりました。 まずは、佐藤実塾長の講演 能登半島地震の数回にわたる現地調査を通じて得た建物倒壊の状況と、現地画像をストリートビューの画像と比較しながら、建物がどのようにして倒壊したのか、さらに倒壊による道路の寸断など二次災害の状況も踏まえ、耐震等級3の必要性を強調されていました。 お客様に頼まれて今回はするとかしないとかではなく、勝手に耐震等級3にしましょう。 「現地のこの状況を見て、耐震等級3が不要だと思う建築関係者は、建築の仕事をやめた方がいいです」と佐藤塾長は強く訴えていました。 次に紹介されたのは、「DGR.119」という消防士の方々が有志で行っているボランティアのレスキュー活動です。 DGR.119は、災害発生時に迅速に被災地へ駆けつけ、救助や支援活動を行う特別なチームです。 彼らは本業である消防の仕事と並行して、この活動を完全に自発的に行っており、参加者の強い使命感と情熱が伝わってきました。 活動の中での切実な悩みや苦労が語られました。 後ほど詳しくお話を伺ったところ、機材なども自費で用意し、休日には被災地に入り、危険な作業を伴うボランティア活動を行っているとのことでした。 通常の業務だけでも大変なはずですが、災害時には迷うことなく現場に飛び込むその姿勢に深い尊敬と感動を覚えました。 続いて、株式会社Be-Doによる微動探査の活用法と能登半島での調査報告がありました。 常時微動探査を用いた被災家屋の耐震性能の実測や、地盤の揺れを確認することで軟弱地盤を把握する手法が紹介され、地盤選びの際にも微動探査が有効であることが語られました。 最後に、東京大学准教授 前 真之先生による「環境塾」の取り組みについての説明がありました。 環境塾の目的は、プランニング、構造、環境を3次元で総合的に担える設計者の育成との事で、各種3次元ソフトを用いた高度な検証方法を学び、実際の物件での実証検討も行われているとのことです。 構造塾の高中さんやメンバーさんよりその活動状況や講義内容、検証の具体例が紹介されました。 カンファレンスに参加されたグループコンサルメンバーの皆さんが非常に意識の高い方々であり、さまざまな貴重なお話を伺うことができました。
貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。 住まいるLAB.主催 家具販売店「vanilla」を運営する有限会社NON VERSUS所有のオフィス兼家具ギャラリー 「offesso」を見学させていただきました。 那須高原スマートインター近くの樹々に囲まれた、自然豊かな場所に建つ事務所棟、ギャラリー棟、そして建築家・宮脇檀氏が設計したヴィラ福村の3棟が佇んでおります。 ギャラリー棟には、オーナーの田中代表が収集したチャールズ&レイ・イームズのプライウッドラウンジチェアやシェルチェアなど、ミッドセンチュリーのヴィンテージ家具が展示されており、シンプルで美しい建物と相まって非常に洗練された空間を楽しむことができました。 画像手前のハーマンミラーのダンボールは、1955年製らしき印刷があり、中にチェアがそのまま入っいた状態で発見され、今ではとても希少な物となっているようです。 家具の説明をされる田中代表 とても楽しそうに丁寧に説明をしてくださる姿に、家具への愛情をすごく感じました。 ありがとうございました。 アルミナムグループチェアなどの、展示されている色々な椅子に座らせていただきました。 私もシェルチェア所有しておりますが、1950年代に造られたミッドセンチュリー時代のチェアは座り心地がとても良く、今年で15年目となりますが、非常に耐久性の高いすばらしいチェアです。 そしてヴィラ福村の内部も見学させていただきました。 竣工は1974年 コンクリートの躯体に木造で張り出された床が特徴で、購入当初は床がたわみ傾いていて、支柱が建てられていたとの事ですが、改修をを行いながらも、当時のかたちを残した設えとなっていました。 森に向かって開けた開放的な空間は風通しが良く、景観も素晴らしかったです。 半屋外のデッキがまたなんとも心地よい場所でした。 どこから見ても緑と木々が望め、心地よい通風を感じられる素晴らしい建物でした。 キッチンや水回り器具も当時の状態なのでしょうか、多少の古さはありますがとても綺麗でした。 さらに、剛工務店の生形さんによる「斜め椅子体験会」 この椅子と机は、パリ五輪で金メダルを獲得したやり投げの北口榛花選手や、競歩団体で8位入賞した岡田久美子選手が使用していたのと同じ物で、解剖学的に正しい姿勢を保つための設計がなされています。 写真では椅子が見えないですが… 実際に座ってみて、自然と姿勢が整うのがよくわかり、長時間の作業にも適していると実感できました。
我が家にもぜひ一台ほしいです。 今回の研修もとても心に残る素晴らしい内容で、素敵な1日を過ごすことができ感謝いたします。 ありがとうございました。 ㈱トヨタトーヨー住器主催 楓構造研究所 古賀健郎さんによるセミナーを受講しました。 古賀さんは、「これからのマイホームは構造の専門家とつくる」ことで「未来を守る住まいづくりが重要である」というメッセージを強調していました。 構造解析には、一般的な許容応力度計算ではなく、有限要素法(FEM解析)という手法を用いて、より詳細な構造検討が行われているとのことです。 有限要素法(Finite Element Method)とは、工学や物理学の分野で、複雑な形状や材質を持つ物体や構造物の解析に使用される数値解析手法の一つで、物体や構造物を小さな要素に分割し、それぞれの性質を数値化して計算することで、全体の挙動を解析するようです。 この技術を用い、家をそのまま揺らす「三次元立体解析」により、実際の家の形状を再現し、建物がどのように揺れるのかを根拠を持って確認できるということを学びました。 「三次元立体解析」では2階の床や屋根の水平構面の剛性を実際に確認し、構造をより精密に検討することが可能のようです。 さらに、次世代基礎「bordo」では、基礎の地中梁という概念を取り除き、フラットなスラブを使用したシンプルな基礎設計が可能になる技術が紹介されました。
これにより、従来の基礎設計で課題となっていた人通口補強や地中梁の補強が不要となり、よりシンプルな基礎を造ることができるとのことです。 この三次元立体解析を使った「専門家による構造計算」を、今後の取り組みとして検討したいと考えています。 素晴らしい学びの機会をいただき、ありがとうございました。 新川の家 外壁の付加断熱工事が進んでいます。 今回使用している付加断熱材は、高性能グラスウール「パラマウント硝子工業」の太陽SUN 105mmです。 この家は新住協のQ1.0住宅の基本仕様に基づき、外壁充填断熱と付加断熱を合わせた210mm断熱仕様となっています。 通常の太陽SUNグラスウールは幅420位か810位となりますが、今回は特注で600mm幅の材料を購入できる業者さんから仕入れ、最適な間隔で胴縁の下地を設置しています。
「新川の家」は、高断熱のQ1.0住宅で、以下の性能を実現しています。 Q値: 1.07 [W/㎡K] UA値: 0.25 W/㎡K(断熱等級7) |
カテゴリー
すべて
アーカイブ
1月 2025
㈱POTOS DESIGN OFFICE
|